整形外科外来について
2019年より整形外科の常勤医と勤務している油井 充(ゆい みつる)と申します。
私の専門は整形外科の中でも脊椎です。細かい話は病院のホームページの整形外科のページに事細かに書いたので割愛させて頂きますが、埼玉では比較的珍しい脊椎(首や腰)の内視鏡手術を得意としています。
さて最近、ネット社会になり飲食店や病院等様々な施設は『クチコミ』という、感謝や苦情等の意見の投稿が匿名で可能になっています。
その病院のクチコミの中でよく「待ち時間が長い」という苦情があります。
よくわかります。私も待ち時間が苦手です。出来るだけどんなことでも待ち時間が少ないと良いと思ってます。大好きなラーメンでも、どんなに美味しいと言われても30分並ばないと食べられないラーメン屋さんにはあまり足を運びません。
しかし研修医の頃に指導医に「外来は患者さんを待たせて良い」と言われました。言われた時は何でかな?と疑問に思いました。ベテラン医師の傲慢さか!?とも思いました。その後先輩医師と話した結果、真意は「医師側が待たせていて申し訳ないと思う余りに焦って冷静になれず浅い考えで治療をするな」と言う意味だと解釈しています。 これはまた真実だと思います。
それ以来、私は『外来の待ち時間』はずっと意識しているテーマの1つです。
さて、整形外科の外来には色々な患者さんが来院します。
薬を飲んでいたり湿布を貼っていると症状が軽いので薬だけもらいに来た患者さん。定期受診の患者さん。初めて受診する患者さん。整形外科とは関係ない内科領域の話や家族のお話をする患者さん。手術を受けたいので他院から紹介状を持って来院した患者さん。
全員同じ外来を受診されます。薬だけ貰いに来る患者さんは、いわゆる3分診療以下かもしれません。しかしそれ以外の患者さんはそんなに外来が早く終わりません。
定期受診の患者さんは3か月ぶりという人もいてその間の症状の経緯をお話しされます。初めて来た患者さんは受診までの経過が長ければ長いほど話したい事がありますし、こちらもそれをまとめ、診察したり検査をオーダーしたりしなければいけません。また私は本当はかかりつけの家庭医の様に、患者さんの整形外科以外のバックグラウンドのお話も傾聴して理解しきたいと思っています。そして手術の説明も可能な限りゆっくりと噛み砕いて説明したいと思っています。 しかし、それらを制限なく実行していると夜中まで外来がかかってしまいます。私はとにかく、スタッフやその後に並んでいる患者さんのことを考えるとそれではいけません。
理想と現実です。
国民皆保険制度という診療のもと仕事をしているため、どこかでバランスをとらなければなりません。
そのため可能な限り傾聴しますが、割り切ってある程度としています。そして脊椎の手術の説明も予備知識がないと限られた時間で理解出来ないと思うので脊椎の知識に関してホームページを以前より充実させました。
こうやって外来の患者さんの数や外来の終了時間を見据えつつ、バランスをもって外来を進めているつもりですし、今後もバランスをもって進めていきたいと思っています。そのため私は外来スタッフに求める事も多いかもしれません。それは待ち時間を少なくしたり来て良かったと思って頂ける外来をしたい気持ちからなのです。
やはり、何事もバランスをとること、いわゆる中庸が大事だと思います。
しかしある時期に午前の外来が夜間帯までかかってしまうことが何日かありました。
そのためバランスを考え数か月前から、当院の整形外科の外来を予約制と制限させて頂きました。
本当にご迷惑をおかけしております。
勿論、予約枠が埋まっていない場合は当日でも診させて頂いております。
気がつけば、バランスを欠いた冗長な文となってしまいました。
読んで頂きありがとうございます。今後とも整形外科を宜しくお願いします。
2023年9月8日 油井 充