新型コロナ・8月情報 (院長)
全国的に新型コロナウィルスの感染が拡大しており、第9波の真最中です。
当院でも8月末に院内感染(クラスター)が発生し、新型コロナウィルスへの対処方針が変更となりました。
1)2023年8月の感染発生状況
①発生状況(定点把握)
5月8日の5類移行後、全国的に感染者数の増加がみられています。
今回も、各月下旬の数値を比較してみました。
埼玉県は全国平均や東京よりも多数で、5月と比べると約5倍となりました。
沖縄は減少傾向です。
5/22-28 6/19-25 7/17-23 8/21-27
全国 3.63 6.13 13.91 19.07
東京 3.96 6.22 9.35 14.53
埼玉 4.29 7.18 11.98 22.74
沖縄 10.35 39.5 22.43 8.5
*定点把握とは:全国の約5000(埼玉県は261)の医療機関からの週1回の報告をもとに算出した1医療機関当たりの平均患者数です。
②当院での新型コロナ検査陽性件数
8月の検査陽性率(合計)はが46%と、半数近くが陽性でした。
4月の8.6%、5月の18%と比較して、極めて高率となっています。
陽性数/検査数(陽性率)
7月 8月
抗原検査 7/30(23%) 8/22 (36%)
PCR検査(迅速) 53/141(36%) 124/251(49%)
PCR検査(精密) 8/28 (29%) 10/37 (32%)
合計 68/199 (34%) 142/310 (46%)
*コロナ検査陽性率(合計)の経過
4月:8.6%(13/151)、5月:18% (25/139)、6月:34% (56/16)。
*インフルエンザ検査(8月)では、15例中1例(7%)のみが陽性でした。
③当院での新型コロナ感染状況
8月28日に1病棟で感染が発生し、8月31日までに10名の患者さんで感染が確認されました。感染拡大が急速かつ広範であるため、対応策を以下のように急ぎ変更しました。
2)当院での対応 *下線部分が変更点
① 面会禁止:当面の間、面会を中止としました。
再開時期は今後の感染状況により判断し、ホームページなどでご連絡します。
② 入院時の全員検査
5月8日以降は原則として症状(発熱、肺炎など)のある方のみに検査を行ってきましたが、当分の間は無症状の方を含む全員に検査を行います。
③発熱の方の外来診療(継続)
発熱のある方は一般の患者さんとは離れた場所(発熱外来)で待機、診察を行なっています。
④感染対応入院病床(継続)
旧コロナ病床(感染対応の空調設備あり)の一部を維持し、感染判明もしくは疑われる患者さんの隔離を継続します。
まとめ
全国的に感染が急速な拡大しており、5月と比べると感染数は約5倍となっています。自覚症状は発熱、咽頭痛が多く、以前のような新型コロナに典型的な肺炎は殆どみとめられません。重症例は減りましたが、感染力が極めて強いと考えられ、今後も発生が継続する可能性があります。当院ではまずは院内感染の沈静化を図り、引き続き細心の注意をもって対応に努めてまいります。
2023年9月6日 石川 進