桜の時期に思うこと (院長)

春になると、特に理由がなくても気持ちが前向きになります。正月は「1年の計は元旦にあり」との言葉の通り大切ですが、やはり寒くて積極的には動けません。春は温かくて体が楽になりますが、医学的にもいわゆる「やる気ホルモン」が増えてきます

Ⅰ.やる気ホルモン「ドーパミン」

脳から分泌される「幸せホルモン」には4種類あり、セロトニン(精神的安定)、オキシトシン(愛情)、エンドルフィン(高揚・鎮痛作用)、ドパミン(やる気)です。

ドーパミンは、「うれしい」「楽しい」といったポジティブな感情を生み出し、ドーパミンが増えると毎日の生活が意欲的になり、運動機能にも影響します。具体的には、「がんばろう」「やってみよう」などの前向きな行動につながります。

ドーパミンは日常的なことで増やせます。具体的には、①小さな日常的な目標の達成、②髪型を変えたり、新しい服を着ること、③うれしいこと、楽しいこと、④映画、音楽、小説などに感動すること、などです。

Ⅱ.桜の時期の歌

寒い時期につらいことがあると、文字通り「骨身に染みる」感じがします。しかし、季節が春だと前向きになれ、これからきっと良いことが来るはずだと思えるのです。春には失恋や挫折も新しい出発点に変えられるのです。

①春になれば新しい出会いが待っています

・キャンディーズ「春一番」(1976年)「もうすぐ春ですね 恋をしてみませんか」

・イルカ「なごり雪」(1992年)「今 春が来て君はきれいになった 去年よりずっときれいになった」 

・いきものがかり「SAKURA」(2006年)「さくら ひらひら 舞い降りて落ちて・・・君のいない日々を超えて あたし大人になっていく」

②挫折も新しい一歩の始まりです

・松任谷由美「春よ、来い」(1994年)「春よ遠き春よ 瞼閉じればそこに 愛をくれし君のなつかしきこえがする」                  

・福山雅治「桜坂」(2000年)「愛と知っていたのに 春はやってくるのに 夢は今も夢のままで」

・森山直太朗「さくら(独唱)」(2002年)「さらば友よ またこの場所で会おう さくら舞い散る道の上で」

・コブクロ「桜」(2005年)「桜の花びら散るたびに 届かぬ思いがまた一つ 涙と笑顔に消されてく そしてまた大人になった」

おわりに

・桜をみると懐かしい思い出がよみがえります。昔々ですが、小学校の入学式では桜が咲いていました。調べてみると1980年代以前は3月末に開花し4月上旬に満開を迎えていたようです。4月上旬には関東地方の各地で「〇〇さくらマラソン」という名前のローカル大会がありますが、期待して参加しても桜が咲いていたことはあまりありません。ちなみに、2024年のさいたま市の開花予想日は3月26日です。

・日々の生活では、いつも「桜咲く」とは限らず、挫折や無念の春もあります。それでも桜には人々に前を向かせる不思議な力があります。一年に一度美しく咲いて、満開になった後は一瞬で散ってしまいます。その潔さも人々に新しい出発への活力を与えてくれているのではないかと感じています

付録:目黒川の桜

2024年3月20日(春分の日)

石川 進