2024年を迎えて (院長)

能登半島地震で犠牲になられた方々のご冥福をお祈りし、加えて救援・支援に尽力されているすべての皆様に深謝致します。

新年にあたり当院の運営方針や取り組みに関する私の考えを記載します。

Ⅰ.患者さんから頼りにされる病院になる

当院の目標は「患者さんに頼りにされる病院」となることです。そのためには、医療の質の向上はもちろん、患者さん一人ひとりの対応にも磨きをかけ、『ここに来てよかった』と思っていただくことが大事だと考えています。当院の医師やスタッフは非常に穏やかで、患者さんにとって居心地の良い、安心して受診できる病院になれると考えています。当院は、急性期医療、回復期リハビリテーション、医療療養まで幅広く診療しているため、多様な医療ニーズに応えることが可能です。

Ⅱ.救急診療に積極的に取り組みたい

医師と患者さんの間には、「何かあったらいつでも来てください」「その時はよろしくお願いします」という暗黙の合意があるのだと私は思っています。救急診療では初診を担当した医師の判断が極めて重要となるため、医師としての責任を感じるやりがいのある仕事です。しかし、自分の経験や知識では解決できないこともあります。その場合は、院内・院外を問わず各科専門医に相談することで患者さんにより良い医療が提供できると考えています。

地域の皆さんにとって「困ったとき、さいたま記念病院に行けば何とかしてくれる」という受け皿になれたらと思っています。

Ⅲ.「地域全体で患者さんを診ていく」

医療機関は、開業されている医院・クリニック、当院のような一般病院、大学をはじめとする高度医療機関の3つに分けられます。その中で、毎日最も多くの患者さんに接しているのは、地域で開業されている先生方だと思います。限られ時間の中で患者さんを継続的に診察し病気や異変を見出されていることと思います。私たち病院勤務医は、診断を確定して治療に当たるのが役割です。また、当院では診療が難しい場合にはより専門性の高い高度医療機関に治療をお願いしています。

最近、病気は治っても活動性の低下や認知症の進行により自宅復帰が困難な高齢の方も多くなっています。その場合は、老人保健施設や福祉施設のお世話になる必要があります。地域全体で患者さんを診ていくための仲介役となるのも当院の役割と考えています。

Ⅳ.新しい試みや将来に向けた提案を大切にします。

「患者さんにとって良い医療」を提供することは不変の大原則です。そのため、日常の仕事を着実に続けていくことが大切です。一方で、仕事のやり方自体は時代の変化や職場の状況に応じて変えていくべきだと考えています。「働き方改革」が進められている現在では「仕事の効率化」は大切です。新しい試みはうまく行かないことも多々ありますが、失敗から学ぶことは多いと思っています。

私自身は、今できることを着実に進めていくことに加えて、今できないことを目指していきます。診療体制や設備の充実を含めて、病院の将来構想を検討していく所存です。

おわりに

新型コロナウイルスは未だ鎮静化の途上ですが、最近は会合や勉強会も増加傾向です。医師会や近隣の先生方、施設の担当者、救急関連の方々との「顔の見える関係」を築いていきたいと考えています。

 2023年は新米院長の私にはとても“内容の濃い一年”でした。2024年は病院を前進させるための取り組みを始めたいと考えています。

 

2024年1月25日

石川 進