一昨日の日曜日、水戸で開かれたがん体験者のランチ会に招かれ、出かけて行きました。
当日はあいにくの雨でした。車窓から見る偕楽園の紅白の梅林は七分咲きでした。雨だからこそ、久しぶりに眺めるからこそ、芳しい梅は輝いていました。
水戸駅に降り立つと、華やかな梅まつりのPRがホームの階段に描かれていました。これを画いた(シールを貼った)人たちの思いを感じました。写真に収め「やるなあ」と、にやけた顔を下げて駅近くのホテルの会場に入りました。
思い切りの笑顔で迎えられました。
久しぶりにお会いするかたがたでした。
「引退して悠々自適の生活をされているかと思ったら、埼玉で診療をしているんですって!?」
40〜50名の入院患者を受け持ち、救急対応もしていることを伝えると、一言。
「茨城に戻って来ませんか」。
茨城には毎週水曜日に前任の県立病院の外来診療に来ていることをお伝えしました。困ったことがあれば水曜日午前9時から午後4時半に来て欲しいと伝えました。すると、
「紹介状はどこでもらえばいいんですか!?」
鋭い質問です。あらかじめ知らせていただければ埼玉から紹介します、とお答えしました。
がん患者、あるいはその家族や知人の中には、どこに相談したらよいのか分からず途方に暮れているかたが多いようです。
自分が何もかもできるわけではありません。
自分の今までの経験を生かし、人脈を生かしてお手伝いしますよ、とお伝えするだけでした。
約30名の集まりでした。
思い出を語り合って楽しいひとときを過ごしました。
一人のかたから本を贈られました。
「良寛さんのうた」(田中和雄編、童話社発行)。
埼玉に帰る列車の中でページをめくりました。
最後のページに良寛の漢詩と現代語訳がありました(図参照)。
自分の道を振り返る思いがしました。
患者の皆さまから力強いメッセージをいただきました。
明日からの元気をいただきました。
ありがとうございました。