ちょうど1年前

昨年2月4日のブログで「新型コロナウイルス肺炎」を取り上げました。
この新型コロナウィルスを「2019-nCoV」と紹介しました。当時、ウイルス名はそう呼ばれていました。今は「SARS-CoV-2」と呼ばれています。2003年に世界を震撼させたSARSコロナウイルスの2代目という意味で正式に命名されました。SARS-CoV-2による感染症は「COVID-19」と名付けられています。

1年前のブログでは「新型コロナウィルス感染症:アメリカ合衆国の第1例」の報告がニューイングランド医学誌(NEJM)の2020年1月31日号に載ったことを紹介しました。その症例の概要を少し詳しく述べました。レムデシビルで症状が改善したことにも触れました。

あれから1年。アメリカ合衆国における新型コロナウイルス感染症の患者数は2600万人余り。死者は45万人以上。日本でも感染者数は40万人、死者は6000人を超えました。首都圏などでは2回目の非常事態宣言が延長されたところです。私どもの病院では先日初めてレムデシビルを使いました。ステロイドも使い快方に向かいました。

1年前、「症状の軽い時期でもウィルスが検体中に陽性になること、発症数日後に状態が急に悪化することがあることも注目したほうがよいかもしれません」と書きました。今、これは常識になりました。
1年がなんと短いことか。なんと長かったことか。
目まぐるしく時が過ぎました。
この先1年、落ち着いてくれることを願っています。