オンライン学会

第33回日本小切開・鏡視外科学会は7月11日(土)-12日(日)にWEB開催となりました。本来なら梅雨のない北海道で勉強し、交流を深め、ジンギスカン鍋を楽しむはずでしたが、新型コロナ禍では諦めざるを得ませんでした。
2020/5/1のブログで紹介しましたように、今回の学会は中止や延期をすることなく、オンライン形式によりほぼ予定通りの日程で開かれました。学会長(北海道大学循環器・呼吸器外科学 加賀基知三教授)と学会代表理事(防衛医科大学校産婦人科 古谷健一名誉教授)に敬意を表します。
オンライン学会は一方通行の発表で終わってしまうことが多いと聞いています。しかし、今回の学会では双方向の議論をリアルタイムに行うことができ(チャット・Q&Aも利用)、さらにオンデマンドであとからでも聴講できるようになっていました。抄録集ももちろん発行されました。
こうしたオンライン学会(誌上開催かつ双方向応答かつオンデマンド形式)はほとんど例がありません。オンライン会議のアプリはZOOMを用いましたが、いくつかの問題も感じました。操作の不慣れや通信回線の容量不足などのため発表が必ずしもスムーズではありませんでした。特に音声の反復(ハウリング)が何度かみられました。オンラインで討論をするにはマイク付きヘッドホンが必要だと感じました。もう一つ重要だと感じたのは、事務局の役割です。各演者は全国各地から発表します。映像や音声のトラブルを遠隔でどう対処するか、事務局の技術力と臨機応変の対応力、事前の調整力が求められるように思いました。もちろん、こうした問題は経験を積むと解消されるはずです。
課題がいくつかあったとは言え、進行は想定以上に良好でした。会場に集って聴講するのとほとんど変わりなく学会に参加できたというのが私の全体評価です。

学会の1日目は病院で、2日目は自宅で聴講しました。両日とも朝早くから夕方6時まで昼休みもなくプログラムが組まれていました。病院では合間にときどき患者を診察したり、指示を出したりしました。こうした「ながら」ができるのは良いことなのか悪いことなのか分かりませんが、ちょっと便利に感じたのは確かです。自宅で聴講した2日目の日曜日は、家族(妻)の不満が爆発寸前になりました。夕飯は当然、少し豪華な外食にしました。

今回の学会はパンデミックの中でなぜ開催しなければならなかったのか。これについて説明することを2020/5/1に約束しました。次回お話したいと思います。