大宮の氷川参道けやき並木にある喫茶店でジャズの生演奏があると聞き、出かけて行きました。ジャズは好きですが、タバコの煙が充満しているライブが多く、足を運ぶ機会は最近ありませんでした。
今回の会場に問い合わせると禁煙とのことでした。

奏者も聴衆もほとんど私と同年輩、70歳前後でした。リーダーは1970年代末にアメリカに渡ったとのこと。あの時代の雰囲気が蘇りました。
そうです。あの時代は、そうだったのです。若い人は音楽家に限らず、芸術家が、科学者が、医師が、アメリカを目指していました。私はドイツに憧れていましたので、アメリカ留学は考えていませんでした。それでも学会でアメリカに行った時、ロサンジェルスで映画音楽を勉強しているという日本人に会ったことがあります。一夜、仲間に加えてもらいました。アメリカ人やアジアからの音楽家の卵が小さなアパートに集まっていました。皆、目が輝き、貧乏生活の中で夢を語っていました。最後には、飛び入りの私のために即興の歌を作ってくれました。

人生の最終段階に入ってもなお人生を楽しむことができるのは幸せです。