パンデミックの中での学会開催

新型コロナウイルス感染症の影響で学会はすべて延期となっています。
少なくとも私の関係する学会はすべて延期です。ところが、どうしても予定通り開催したい、そして開催した、という学会があったことを最近知りました。

第72回日本産婦人科学会です。web配信という形でほぼ予定期間に学術集会を開き、先日無事終了させました(4月23日〜28日)。新型コロナの広がりを見極め、現地ではなくwebでの開催にすると決断をしてから1ヶ月でこの快挙を成し遂げたことになります。
動画やスライドをオンライン・オンデマンドで視聴する形式ですから質疑応答はなかったとのこと。それでも良い学会だったとある参加者から聞きました。学会長の青木大輔慶應義塾大学教授の会長挨拶(閉会のご挨拶〜感謝のことば)を引用します。

「通常であれば会場で参加者の熱気を感じ、意見交換や議論に耳を傾けることが出来たはずです。今回それは適いませんでしたが、連日大変多くの方に講演動画をご覧いただくことでご参加いただきました。毎日視聴のモニタリングデータを見ながら今回の学術講演会の首尾を案じている中で、困難な時期であってもアカデミズムの炎を灯しつづけようという皆さまの熱意が伝わり、得も言われぬ一体感を感じて胸が熱くなる思いでした。」

自分の専門外の領域での話ですが、この言葉には感銘を受けました。

実は、私の関係する学会が7月上旬に開かれます。私は当初、1年先送りを主張しました。したがって、理事長と学会長がオンタイムの開催を考えていると知った時は本当に驚きました。しかし、今を生きる者が、今ある問題を論じる必要性はあるのだ、という固い信念を知るに及び、感動しました。
確かに、中止や延期は、苦渋の選択ではあるものの、安易と言えば安易です。困難なときこそ知恵を絞り、皆の協力を得て「今こそ」を訴える努力を怠ってはならないと思いました。

5月の連休中に臨時の理事会を開くというメールが理事長から届きました。もちろん、web会議です。オンラインの会議は私にとって初めてです。web会議アプリをダウンロードして準備しました。今、バーチャル背景の設定に悩んでいます。
新しい時代に入りました。

学会の詳細は後日、ご報告します。パンデミックの中でなぜ開催しなければならないのか。これについてもお伝えします。