ピークアウトか?

当院の発熱外来における新型コロナウイルス新規陽性者数の先週分がようやく出ました。オミクロンの感染爆発に伴い、検査会社に検体が殺到し、今まで翌日には出ていた外注PCRの結果が数日以上遅れるようになっているのです。

外注PCRはCt値が出るのでウイルス量の推測に役立ちます(2022/1/24ブログ参照)。一方、当院の院内で行う「PCR」はNEAR(nicking enzyme amplification reaction)法です。簡便・迅速(30分で結果が出る)である一方、陽性 or 陰性の判定のみでCt値が出ません。この点はNEAR法に似たLAMP(loop-mediated isothermal amplification)法でも同じです。
外注PCRはNEAR法やLAMP法よりも感度は高くCt値が出ることから、今までは抗原陽性であっても偽陽性を除く意味もあって外注PCRを必ず出していました。しかし、最近は外注PCRの結果が遅くなったため、院内「PCR」あるいは抗原検査(15分で結果判明)のみで診断する例が増えました。抗原検査で陽性に出たらそれ以上の検査は省くということです。ただし、抗原がマイナス(陰性)になった場合は外注PCRに必ず回します。抗原検査はマイナス(陰性)判定(=新型コロナではないという判定)には使えないからです。

とくに先々週からPCR未実施かつ抗原検査陽性でCOVID-19と診断をする例が増えてきました。そうした例も含め新規陽性者数の週ごとの推移を見たのが図1です。先週から減少に転じているようにみえます。陽性率(図2)も少し下がりました(先々週49%、先週45%)。
ピークアウトと言えるかもしれません。

下がるなら急激に下がって欲しい、ダラダラと下がるのは勘弁して欲しい、というのが現場の正直な気持ちです。

 

図1.陽性者数

図2.陽性率