昨日11/10は様々な出来事がありました。
外来や入院の患者さん達に起こったことは重要であっても詳しくは書けません。臨床の不可思議をいろいろ体験し、勉強になりました。
午後、埼玉県難病医療連絡協議会のWEB講演会「難病の災害対策〜現状と課題」を聴講しました。後半はカンファレンスのため中座しましたが、前半だけでも聞き応えがありました。とくに保健師による「ALS患者の災害時個別支援計画の作成事例」の発表は、多くのことを学ばせていただきました。京都のALSの女性(2020/7/31ブログ)にもこうした個別支援計画があったのだろうか。考え込んでしまいました。
短時間の残業を済ませ、車で水戸に向かいました。夜の会合に参加するためです。その道中、昨年春に当院を倒産に追い込んだ前理事長一派の首謀者が逮捕されたというニュースが流れました。振り返れば、多くの犠牲が払われました(2019/4/25ブログ)。それでも今の病院は誠心誠意、医療に尽くしています。それが救いです。
道中のもう1つのビッグニュースは、ファイザーの新型コロナワクチンが90%の有効性を示したというものです。専門家は「中間報告にすぎない」、「長期にみないと真の有効性・有害事象は不明」と慎重でした。期待されますが、冷静に見守るべきなのでしょう。
水戸では、医療の本質に迫る熱い議論を聞きました。医療の原点はこうあるべきだという当たり前だが当たり前ではない強いメッセージを聞きました。
夜は久しぶりにホテルに泊まりました。
メールをチェックし、新聞に目を通しました。
日本経済新聞朝刊の新聞小説「太陽の門」が最終回でした。翌日からは「ミチクサ先生」が再開されるというのです。この伊集院静氏の連載小説は文豪の人間臭さを描いていました。それが今年2月20日に突然、連載休止となりました(2020/7/30ブログ)。作者がクモ膜下出血を患ったためだったとあとから知りました。病状の詳しいことは分かりません。連載再開は作者の健康回復を意味します。何よりも物語の続きが読めます。嬉しいことです。
それにしても、「ミチクサ先生」休載の翌日からスペイン内戦を描いた「太陽の門」は何というタイミングなのでしょうか。伊集院氏の病気は突然だったはずです。伊集院氏の原稿が何回分か書き留めてあったにせよ、壮大な物語を「ピンチヒッター」として書き始め、そして伊集院氏の回復を見定めたうえで筆を置く。これを書いた赤神 諒(あかがみ りょう)とは何者か。ウィキペディアによれば、現在48歳、「日本の小説家、弁護士。上智大学法科大学院教授。法学博士」。戦国時代の歴史小説で売り出したようです。それがスペイン内戦の激しい銃撃戦を描き、男女の悲劇を見せてくれたのです。でも、数えきれないほどの人間が殺される描写は好きではありません。愛すべき女性や青年が銃弾に倒れ、リックだけが生き残る筋書きはもう少し何とかならなかったのか。自分ならどう物語を展開しただろうか。ゲルダをあんなに唐突には殺させない。ブランカもあそこでは死なせない。う〜ん、それだと単なるラブストーリーか。ならばもう少し長くしてもよかったのではないか。期間限定だったのか。とりとめのないことを考えながら眠りにつきました。