昨日、当院の発熱外来で2ヶ月と5日ぶりに新型コロナ陽性者が確認されました。
注目すべきは、再感染であったこと、ワクチン接種2回完了であったこと(=ブレークスルー感染)です。
個人情報のことがありますので詳しくは書けませんが、幸い症状は軽く済んでいます。
発症後2週間以上経ってからの医療機関受診であったためCt値(PCRサイクル数のこと、2020/4/20ブログ参照)はかなり高く30台半ばでした。つまり、その時点ではウイルス量はかなり少なく感染性は低いということになります。ただし2週間以上診断されていませんでしたので、濃厚接触者はそれなりに存在していると思われます。保健所には調査をお願いしました。
再感染かつブレークスルー感染であることから、年齢や免疫状態、新たな変異株の可能性を検討すべきだろうと思います。
今のところ感染者は年齢・既往歴・身体所見から壮健なかたで免疫状態の異常は考えにくいと思われます。変異株の情報は今のところ入っていません。
Ct値がかなり高いためウイルス量は少なく、変異の同定には至らないかもしれません。
従来、当院での外注PCRは新型コロナウイルスの検出にはOrf1ab遺伝子、S遺伝子、N遺伝子を検査しています。今回の例ではOrf1ab遺伝子のみ陽性で、S遺伝子とN遺伝子は「検出せず」となっていました。
十分な文献検索は済んでいませんが、ヨーロッパのある大手の検査会社の資料に「Orf1ab遺伝子はオミクロン株でも影響されていない」との記載がありました。
今後、注目していきたいと思います。