昨夜、仕事が遅くなり病院の非常口から外に出ました。小雨が降っているような湿気を感じました。しかし雨粒を感じることはなく、濡れずにすみそうだと一安心しました。歩いていると、周りでカサカサと小さな乾いた音が聞こえました。枯葉の動く音のようでもあり、自分の服が擦れるような音でもありました。何だろうかと思いつつ、車がポツンと置かれた駐車場に入っていきました。そこには駐車場を照らす高い大きなライトが立っています。眩しいライトを見上げると、白いものが落ちてくるのに気づきました*。
*https://youtu.be/HIJwtXDdd6Q
ああ、雪だ。
寒気が押し寄せていることは天気予報で聞いていました。北から飛んでくる風花か。一瞬思いました。でも、風がありません。静かに落ちてくるのです。空に星はなく、雪雲があるように思えました。
車に乗り、市街地に向かって走り出すと、雪の舞う姿はもうありません。ほんの一瞬の出来事でした。
帰宅して日本気象協会の天気図を覗いてみました*。
*https://tenki.jp
病院を出た時刻の雨雲レーダーを見ると、日本海側には厚い雪雲が押し寄せています。関東は雲のない天気です。しかし、埼玉県のさいたま市上空から茨城県水戸市方面に帯状の雲が流れていました。
私のみた初雪はこの雲がもたらしたものと推測できます。
ほぼ同時刻の気圧配置を雨雲レーダーに重ねて見ると、北海道の北東に3つの低気圧の集まりがあり、そこから伸びる寒冷前線が本州の南東はるか沖に横たわっています。この関係でしょうか。西高東低の冬型の気圧配置の中に雪雲の小さな塊が埼玉・千葉・茨城南部に生じました。
昨夜午後10時の関東地方の天気一覧を見ると、さいたま市は雪、昨年まで12年間を過ごした水戸市も雪でした。水戸の前16年間を過ごした宇都宮市は晴、駆け出しの外科医として3年半を過ごした前橋市も晴でした。前橋に赴任する直前1年間の研修医時代を過ごした東京は雨でした。
初雪のおかげで北関東ぐるり、ちょっとした時空の旅を楽しむことができました。