愛おしい人

この4日間に4人の担当患者さんを失いました。
がん終末期のかたがいました。愛おしい人たちでした。
意識がしっかりしていたとき、話し合えたあのときのことを思い出します。

厳しい中で一縷の望みがあったかたもおられました。
予期しなかった場合もありました。静かに見守るとの事前の約束を破り、無念を乗り越えるにはこれしかないと思い、最後の治療に賭けました。
認知障害があっても必死に生きている姿に感動さえ覚えたかたもいました。

その方々の最期は、多くは、深夜や未明のために立ち会えませんでした。
翌朝、最期を知ったときの悔恨、やるせなさ。
今までの多くの人たちとの別離と同じく、決して忘れまいと思いました。

今宵こそ酒を飲もう。
あの人たちとの最後の会話、最後の息づかい、最後の触れ合い、最後のぬくもり・・・。

酔いながら新聞をめくれば、訃報欄にアルフォンス・デーケン氏の名前が・・・。
なぜこの日に?
Death Education。死の教育。
この言葉にどれほど刺激を受けただろうか。
「死の教育は生きるためにある」。
30年前に聴いたデーケン先生の講演がきっかけで、その後も本を買い求めた日々。先生は今なお私の中に生き続けています。

さようなら、皆さん。
自分が生き続ける限り、皆さんを忘れることは決してありません。
ありがとうございました。