愛の献血車

昨日、当院に「愛の献血車」が来ました。
年に2回、当院の職員が献血に協力しています。私が赴任してくるはるか前からのことだそうです。埼玉県赤十字血液センターの担当者に聞くと、当院では毎回20人ほどが献血を願い出てくれるとのことです。職員の約1割がいつも協力してくれることになります。
私自身は肝炎を患ったことがあるため献血はできませんでした。その分、何かの形で協力したいと思っていました。

前任地の県立病院にいたとき、「県立病院は輸血を大量に使うのに献血に協力してくれない」というクレームを血液センターの人から受けたことがあります。献血車に乗って問診を行う医師の業務に県立病院の医師は誰も協力してくれないと言うのです。
献血に協力して報酬を受け取れば公務員の兼業禁止に抵触すると当時思われていました。協力したくてもできないのだ、という理屈でした。しかし、それはおかしい、献血への協力は単なるバイトではないはずだと主張しました。献血の重要性を県の中枢部に訴え、規則改正を実現させました。報酬は個人がもらうのではなく病院がもらい、協力した医師には手当として払うという仕組みを作ったのです。とはいえ、手当はそれほど多いものではありません。また業務過多のなかで時間に余裕のある医師はなかなか見つかりませんでした。ならば自分がまず始めよう、ということで、献血車に何度か乗りました。献血の問診にはいろいろ細かな規定があり、臨機応変の対応も求められます。これが勉強になりました。
会社の敷地にバスを停め、あるときは陶器市の会場に乗り込んで献血を呼びかけました。志願者が来てくれるのかという心配は無用でした。多くの人に協力をいただきました。

コロナの時代になり、献血の協力者はかなり減りました。一方で輸血を必要とする患者は常にいます。献血に協力してくれる当院の職員には頭が下がります。感謝します。