当院の200m西に敬寿園七里ホームがあります。介護老人福祉施設(特養)を中心に様々な介護サービスが提供されています。
特徴的なのは、特養にもかかわらず常勤の医師がいらっしゃることです。また、さいたま市の事業委託を受けて、見沼区東部圏域の地域包括支援センター(シニアサポートセンター)が入っていることです。さらに、小規模多機能型居宅介護事業所(小規多)もあると聞きました。
そうした興味から、先日、当院の医療ソーシャルワーカーと一緒に七里ホームを訪ねてきました。

まず邨山(むらやま)施設長にお会いし、金井裕子先生をご紹介いただきました。
金井先生は、神経内科専門医の資格を持っており、神経難病の患者さんも多数診ておられるとのことでした。
色々お話を伺いましたが、印象的だったのは胃瘻についてのお考えでした。

認知症の高齢者への内視鏡的胃瘻造設(PEG)の濫用に対して批判があり、胃瘻は作らないという施設が多くなった。しかし、神経難病のかたは知的能力が十分にあり、胃瘻さえあれば栄養の心配がなく生きていける、というものでした。
胃瘻の濫用、それへの批判。私も聞いたことがあります。何事もそうですが、ひとつの考えに縛られるのではなく、一人一人に寄り添っていけば、自ずとすべきこと、すべきでないこと、が明らかになるように思います。
当院からの情報として、4月に整形外科医が赴任してきて積極的に診療を行っていること、そのほかの診療科においてもご期待に応えられるよう努力していることをお伝えしました。

懇談のあと、部屋や設備を見せていただきました。いろいろ充実していましたが、特に浴室が広く、車椅子ごと入れる大きな浴槽は興味深いものでした。
「今度入ってみたい」と思わずつぶやいてしまいました。
シニアサポートセンター「敬寿園七里ホーム」と小規多「アレーズ」については、後日またゆっくり見学させていただくことにしました。