新しい道を目指す

昨日夕方、帝京大学教授の杉本真樹先生を講師にお招きして、講演会「アフターコロナの新医療トレンド」を開催しました。
当院のスタッフは患者に寄り添い、医療従事者としての責務を淡々と果たしています。医療の原点に立つ姿に日々感銘を受け、日々感謝しています。一方、時間に追われる慌ただしい毎日を送っているのも事実です。
「こうした生活に夢があったら・・・」と思っていました。医療界の第一人者に夢を語っていただき、職員への励ましになれば、と思ってきました。
そのような折り、杉本先生の著書「メスを超える」が贈られてきました。2021/3/25ブログでも紹介しましたように、新しい外科の分野を切り開くパイオニアの姿が描かれていました。苦難があっても、新しい道を目指す若き英才の言葉と行動が示されていました。
これだ、と思いました。「新しい道」を実際に語っていただこうと思いました。メールでお願いしたところ、御快諾をいただきました。

業務を終えたあと多くの職員が集まってくれました。
新しいビジュアルの世界を医療に築こうとする杉本先生の講演は斬新でした。
3Dを活用した手術、症例検討、教育の実践例を示してくださいました。オンライン診療の話は我々の考えていたものとは違っていました。医師の分身(アバター)が患者のもとを訪れて診療するというのです。ユニークかつ実現可能性の高い話でした。職員はウェアラブル端末を実際に装着して、新医療のトレンドを感じとっていました。

大きな気づきを得ました。
医療は医療者だけではない、ということです。患者も家族も、さらに言えば市民・国民が一体となって医療にたずさわるのが理想です。一般市民が医療に参画する「参療」を目指してきた私としては、このビジュアル技術を応用してみてはどうか、と感じました。
今まで患者には、簡単な図を書いて説明するか、CT画像を示して「ほら、ここに」などと話すか、のどちらかが多かったと思います。簡単な説明ではリアリティに欠けます。「ほら、ここに」は患者にとっては理解不能なことが多いはずです。個別化した自身の病変を3Dで直感的に分かるようになれば、理解は格段に容易なはずです。何よりも、興味が湧いてくるはずです。患者が自分の病気に興味を持つことが参療の第一歩になるはずだと思いました。