今日5月12日は看護の日です。
フローレンス・ナイチンゲールの誕生日に因んでいます。
国際看護師協会は1965年に5月12日を「国際看護の日」と定めています。
日本では1990年に「看護の日」が制定されました。5月12日を含む週が看護週間です。
昨年、当院でも看護週間中の5月11日、土曜日午後、高校生対象の「ふれあい看護体験」が催されました(2019/5/13のブログ参照)。
しかし、ナイチンゲール生誕200年に当たる今年、新型コロナの災禍に見舞われました。当院の「ふれあい看護体験」の企画は中止となりました。
日本看護協会でも今年の祭事は限られています。しかし協会は「#NursingNow_いま私にできること」というキャンペーンを展開しています。コロナの今こそ、看護の力を示そうというものです。そしてハローキティによるステイホーム・手洗い・密閉密接回避のイラストを無料配布しています(図1)。さすが、看護協会! 医師会とはセンスが違いますね。
ところで、ナイチンゲールの誓いをご存じでしょうか。
ナイチンゲールの誓いは、医聖ヒポクラテスの誓い(神への誓い、挺身の純潔、患者平等、加害禁止、守秘義務など)をもとにアメリカの看護師グレッターが起草したとされます。ナイチンゲール存命中のことで、真偽は不明ですが、彼女自身はその誓詞を必ずしも快く思っていなかったという話が伝わっています。
ともあれ、古い看護師(失礼!ベテランの看護師)は看護学校入学1年目の秋、戴帽式でこの誓いを唱和したことと思います。戴帽式では、暗闇の中、ナイチンゲール像の灯し火が仲間のひとりひとりのキャンドルに移されていき、看護師になる誓いを謳っていきます。時代は変わり、ナースキャップは時代錯誤だとして戴帽式を廃止し、「宣誓式」という名に変えたり、いや、戴帽式こそ看護の原点だとして戴帽式を復活させたりした学校もありました。いずれにしても、ナイチンゲールの誓詞は徐々に読まれなくなり、今の自分たちが考える看護の理想を高らかに謳うようになりました。
どのような名であれ、どのような誓いの言葉であれ、キャンドルに照らされる看護学生の顔に、身の引き締まる思いを常に感じたものでした。