2020/3/25のブログに、ある患者さんのことを書きました。
2度目の東京オリンピックを楽しみにしていたかたです。
厳しい病状の中、あと2年、あと1年、あと半年となり、あと5ヶ月まで来たとき、東京オリンピックは1年延期となりました。
神様は残酷だ。思わず呟いてしまいました。あと1年はきつい。正直、そう思いました。それでも「神様はあと1年導いてくださるに違いない」。前向きにとらえることにしました。
突然、訃報が届きました。
結局、予定通りオリンピックが開かれたとしても間に合わなかったことになります。ひょっとすると、1年の開催延期を知って、とても無理だ、と早々に諦められたのかもしれません。
私にとって何よりも残念だったのは、4月半ば以降、お会いできなかったことです。コロナのためと言えばそうかもしれません。しかし、入院されている病院に会いに行こうと思えば、本気で会いに行こうと思えば、できたはずです。ある日の朝、今日こそ会いに行く、と周りにも伝えていたのに、眼前の用に追われ、機会を逸してしまいました。まだ時間があると漠然と思っていました。
甘かった。反省しても後の祭りです。
ご家族に電話でお悔やみを申し上げました。同時に、力及ばなかったこと、お会いしないでいたことをお詫びしました。「感謝しています」の言葉をいただいても心は晴れませんでした。御免なさい、Fさん。