自分の手をじっと見ればシミやシワ、鏡をみれば髪の薄さと白さ。老いを感じます。もう一度、青春に戻りたい。つくづく思います。そう思っても所詮、叶わぬ夢です。
若返りと言えば、悪魔メフィストフェーレスがファウストに与えた魔女の薬が有名です。刹那の恋には最高ですが、ゲーテの小説での話です。
科学的な方法はないものでしょうか。
日本抗加齢医学会というれっきとした学会があります。アンチ・エイジングの学会で、なるべく老いないようにするのが趣旨です。若返りとは少し違うようです。
マウスの実験では、若いマウスの血を入れると細胞が若返るという報告があります。いや、そうではない、老齢マウスの血液には老齢物質があるからそれを薄めればよい、という最新の実験結果もあります*(rejuvenation =若返り)。
* https://www.aging-us.com/article/103418/text
今すぐにネズミの実験結果を人に当てはめることはできません。
自分が生きている時代には間に合わないことだと諦めざるを得ません。
ところが、若返りの方法が実はあるのです。
信じられないかもしれませんが、間違いなく今でもあるのです。
昔を思い出してみましょう。
肌のキメ、髪の色とボリューム。確かに若いときは違っていました。でも、若かったときの心、態度、もの言いを覚えているでしょうか。
歳をとるというのは経験を積むこと。経験を積むともの分かりがよくなります。物事を迷いなく断定的に言うようになります。発言に自信がついてきます。
「さすが」と人からも言われます。一言で言うと、自信と貫禄がついてきます。
それは、ある意味、老いた証拠です。
若いときはどうだったでしょうか。
自信がなく、迷いに迷い、おずおずしながらものを言っていませんでしたか。
肌も髪も若かったけれど、心も言葉も若かった。自信がなく、迷いに迷い、おずおずしながらものを言う。このことが今思えば、若さだった。
「何を今さら」、「馬鹿らしい」。そう思う人はどうぞ今のままでいてください。もう一度あのときの若さに戻りたいと真剣に考える人は、心だけでも、せめて言葉だけでも若返りませんか。やろうと思えば必ずできます。自尊心を多少抑える必要があるかもしれませんが。
20歳代の頃、それとなく気づいていました。
年長者の断定的なもの言いを少し冷ややかに聞いていました。「あのようにはなりたくない」。心のほんの隅で思っていました。
ところが、自分が老いてくると、「あのようになりたくない」と思っていた状態に自分がなっているのに気づき、愕然とします。
周りがそうさせてしまうのかもしれません。周りは何も言えなくなっているだけなのかもしれません。しかし、元をただせば、自己のあり方そのものに関係します。例えば、若い人の指摘にムッとすることがあります。とくに正論を言われるとムカッとします。幸い多くの場合(本当かどうかは別にして少なくとも自分では)すぐに反省します。簡単ではありませんが、あのときの若さに戻る努力はしてみようと思います。
「でも、このブログは、かなり断定的なもの言いをしますよね」。
う〜ん、それは・・・、若気の至りです。
昨日も述べましたように、自分の未熟さを痛感する毎日です。
未熟=若さだと思えばこそ、進むしかないと思っています。