東所沢に巨大な岩(ロック)のミュージアムが11/6オープンしました。設計は隈 研吾(くま けんご)氏、館長は松岡正剛(まつおか せいごう)氏です。
テレビニュースを見てすぐ訪ねたくなりました。しかし日曜日しか時間がありません。オープン3日目の11/8(日)に行くことにしました。コロナ対策で人数制限され、チケットは予約制です。全館通しの券は完売、人気のある階や特別展も空きがありませんでした。入手できたのはマンガ・ラノベ図書館の午後2-4時の入場券でした。
漫画やライトノベル(ラノベ)など滅多に読みません。それでも、時代について行こうとする気持ちと、中を覗いて見たい好奇心でネット購入しました。
当日朝、病院に呼び出され、ドタキャンを覚悟しましたが、無事処置が終わり、家内と出かけることができました。
自宅から西へ18km、色づいたケヤキ並木の浦所(うらとこ)街道を車で走ること40分。大勢の人が詰め掛けていました。ミュージアムの外観は確かに異様でした。曲線のない無骨な石の塊のように見える一方で、繊細さを伴う「不均一な均衡」を感じました。
内部は、斬新なオブジェ・展示で溢れていました。フラッシュや三脚を使わなければ撮影は自由、営利目的でなければ掲載も自由とのことでした。
マンガ・ラノベ図書館では子供や若い人が椅子に座って熱心に読んでいました。私のような高齢者はいません。本棚に並ぶカラフルな本は、背表紙のタイトルをみてもあまり食指が動きません。
ふと思い立ち、受付の女性に聞いてみました。
「医師を主人公にしたライトノベルはありますか?」
漫画「ブラック・ジャック」が念頭にありました。今、医療ドラマはたくさんあります。ライトノベルもそれなりにあるのだろうと思いました。ざっと見た限りでは本棚にそれらしいものを見つけることはできませんでした。
受付の女性はコンピュータで検索してくれましたがなかなか見つかりません。10分ほどして、「1つありました」と言ってメモをくれました。
「宮廷医の娘 e-3-18」。
「e-3-18」は1つ上の階にある本棚の番号とのこと。
階段を昇って探すと、ありました。
鮮やかなイラストが表紙を飾っている文庫本でした。著者は冬馬 倫(とうま りん)。発行は2020年4月25日。書き下ろしとのこと。帯には「黒衣をまとう、その闇医者はどんな病も治すという――。凄腕の闇医者 X 宮廷医の娘 中華医療譚 開幕!」などとあります。フリガナのない紹介文でした。
本文を読むと、科挙の試験が出てきます。西洋医学の最新技術に触れていますので時代は清代か。異民族侵入の脅威とあるのであるいは明代か。読者層は高校生か、などと思いつつページをめくっていくと10数分で30ページ以上読み進んでいました。実に読みやすい、ドラマのセリフを聞くように読める、だからライトノベルか、ということはドラマ化か。
家内にせっつかれ帰宅の時間となりました。残りはアマゾンに注文して読むこととしました。
武蔵野ミュージアムのある東所沢は以前、一面の畑と雑木林でした。武蔵野線が開通し、東所沢駅ができてから住宅地が広がったようです。そこにモダンで重厚な建物と新たな「サクラタウン」ができたというわけです。
その新しい街づくりについて、気になったことを挙げます。
駐車場が少ないため、遠いところに車を止めざるを得ませんでした。駐車場から歩いてミュージアムに向かう道路は狭く、車の通行量は多いのに歩道が整備されていません。ミュージアムの裏の小川はドブと化し、異臭が立ち込めていました。ようやくたどり着くと、階段が巨大な壁のように立ちはだかっていました。膝の悪い家内のためにエレベータの位置を聞くとすでに遠く通り過ぎていました。ミュージアムそのものには地上階(1階)から使えるエレベータがないのです。障害者には不親切だと感じました。偶然かもしれませんが、美術館でよくみかける車椅子の見学者はいませんでした。
ホームページにご意見欄がありましたので、上記の点を指摘し当日のうちに投稿しました。もちろん、最初に感動の言葉を添えました。
返事は翌日夜に届きました。私の指摘内容にほぼ即して回答してあり、「お寄せいただいたご意見ご感想をふまえまして、お客様に安心してご利用いただけるよう検討して参ります」と超丁寧に結ばれていました。