先月の「徹子の部屋」で「追悼・宝田明さん」が放映されました(2022/3/21テレビ朝日)。祝日でしたので視ることができました。宝田氏46歳、64歳、70歳、76歳、84歳のときの出演番組をつないでいました。前半は旧満州ハルビンでの少年時代の戦争体験と戦後の引き揚げの思い出、後半は東宝のニューフェイス応募と映画「ゴジラ」での出演、晩年の健康管理が話題になっていました。どの話にも宝田氏の誠実な人柄が偲ばれました。
宝田明氏のことは2019/9/12ブログ「青い山脈」で触れたことがあります。父が小学生の私を映画に連れていったときの思い出を書きました。
映画は石坂洋次郎原作の「青い山脈」。のちに調べると、映画化としては2回目となる1957年版でした。ロケ地は岐阜県恵那市と中津川市。父の生まれ育った土地でした。青い山脈は恵那山でした。宝田明氏はその映画のロケのことを記事で語っていました(2019/9/11朝日新聞)。
「青い山脈」は昭和の時代5回映画化されました。平成の時代にも新しい視点で映画化を試みたようですが、資金面で実現できなかったとのことです。それを踏まえ宝田氏は次のように述べました。
「私は戦中を旧満州で育ち、ソ連兵に銃撃されるなど壮絶な体験をしました。今の若者は平和と民主主義は当然のものと思っています。「青い山脈」には、平和と民主主義を得られたことへの感動があふれています。それをもう一度見つめ直すという意味で、令和の時代にぜひ再映画化してほしい」。
日本の戦後を舞台とするには時代が経ち過ぎているかもしれません。
しかし世界に戦争は絶えません。宝田明氏の願いが翻案での映画化でもよいので叶えられんことを望みます。