昨日の日本経済新聞に「高齢者の認知機能低下 コロナ下 8割の施設で確認」という記事が載りました*。
*https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE069J50W2A600C2000000/
「新型コロナウイルス対策の長期化で、高齢者施設に入所する人の認知や身体機能の悪化が鮮明になっている。広島大などの研究グループが6月にまとめた調査結果によると、入所者の認知機能の低下がみられたと回答した施設は8割に上り、前回調査を上回った。面会や外出などの行動制限が背景にあるとみられる。コロナ下で低下した入所者の生活の質(QOL)を向上させるためにも、行動制限の緩和と感染防止策を両立させる工夫が欠かせない」としています。
私も同感です。自分自身、「行動制限の緩和と感染防止策を両立させる工夫」をしてきました。具体的には、食事ができなくなった患者、無気力になった患者、その他の条件の患者には、家族との面会を許可しています。ただし、発熱のないこと、短時間かつマスク着用を条件にします。家族と面会すると高齢患者の反応は明らかに上向くのです。
仮にコロナの感染者と会ったとしても、「1mの距離、10分以内、マスク着用であれば濃厚接触者にはならない」のを応用した対応です。
入院患者との面会を完全に禁止してまでコロナ感染予防に努めるのであれば、入院患者に接する医療従事者もまた「感染リスクの高い子供や他の家族と家庭内でも接触しない」を徹底しないことにはスジが通りません。「そこまでしなくてもよい」というのであれば、上記の条件での面会は許可してもよいではないか、というのが私の個人的な意見です。違いますか。